そのままドアノブに手をかけ、ガチャりと開ける。


やっぱり。想像していた通りに広い玄関だ。


私の住んでいるアパートとは大違い。



「どうぞ〜」



キョロキョロしながら中に入る私のペースに合わせて、爽介さんはゆっくり説明しながら、どこが何の部屋を案内してくれる。


お風呂とトイレ、それから爽介さんの仕事部屋に寝室。

それとーー。



「葵はこの部屋使って。荷物は届いているはずだから」



そう言われた部屋を開けると、まさに私好みの部屋が広がっていた。そして、広い。


白を基調にした家具に、落ち着いた雰囲気のある色合いの小物。

部屋の隅には、ダンボール箱が5つくらい積み重なっている。きっと、そのダンボールが荷物なのだろう。


荷物の整理を後にして、他の部屋も見せてもらうことにする。



「ここがリビングね。僕の仕事部屋以外は好きに使ってもらっていいから」



そう言われて、私はリビングを少し見渡す。


ーー生活感がほとんどない。