あれは、1年前の秋の誕生パーティーの日。


シャンパンが開く音と共にパーティーは始まった。

秋にプレゼントを渡し、お酒を飲み過ぎた私はテーブルの上に顔を伏せ、いつものように、夏を呼ぶ。


「夏〜飲み過ぎちゃったぁ〜」


「春〜大丈夫?」

優しく声をかけてくれたのは、冬で、私の肩には冬のコートがかかっていた。


「冬、コートかけてくれたんだ。ありがとー。」


冬は優しい眼差しでニコッと微笑む。


「あれ?夏と秋は?」


「二人ともお手洗いにいったよ。」


「そう。じゃあ私も行ってくる。」


ふらふらと立ち上がり、少し、つまずくと冬が支えてくれた。


「春〜危ないよ。ついていこうかっ?」


「ううん、いいよぉ〜一人で平気、平気〜。」


心配する冬をふりはらい、パウダールームに向かった。


扉の前に秋の姿を見つけ、呼ぼうとした瞬間に
秋の前に、長い筋肉質の手がすぅ〜と伸びて、秋を遮った。


…夏?


秋の前に手を伸ばし、真剣な眼差しで秋をみつめる、夏。


…うそ…でしょ?


目の前が見えなくなるぐらい、一瞬にして、涙が溢れて前が見えない。


秋はびっくりした顔をして、夏をみつめていたが
夏は…


真剣だった。


夏は秋を…?