「……痛っ」


誰かにぶつかって思い切り鼻をぶつけた。


「ごめん。大丈夫?」

「……いえ、私こそすみません!大丈夫です」


鼻が潰れてないか心配ではあるけど、ボーッとしていた私がいけない。


「ずいぶん急いでたみたいだねー? 音無家のお嬢様」

「えっ?」


鼻を押さえながら顔をあげると、そこには美形の男の人が立っていた。