ドキドキして、体温がぐんって上がる。

蓮くんを起こす時だって、本当は見惚れている自分がいて。

そんな気持ちになるなんて、自分でも戸惑うくらい。

だけど、蓮くんにだけ感じるこの気持ちを自覚しちゃったら……。


きっと未来の私は、ウェディングドレスを着たまま逃げ出してしまいたくなるから。


そんなこと絶対言えないけど……。

でも、もし私がそう言ったら蓮くんはどんな顔をするのかな?


……まさか。

明日から私の日常が変わろうとしているなんて、この時は知る由もなかった。