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「よし、皆の衆揃ったか！」



すっかり日が沈んであたりは真っ暗に近い。


神社の鳥居の前、勢ぞろいしたクラスのみんなを見渡して、今回の企画者である山田くんが声をあげる。

7月も終盤に近い、夏休み真っ只中の今日。
日も暮れた今、この時間、どうしてこんなところにみんなで集結しているかというと。



「それじゃあ、待ちに待った肝試しに参ろうではないか！」



テレビの司会者ばりの格好つけた言い回しをする、そんなムードメーカーでお調子者の山田くんが企画したこれ。

クラスのみんなで肝試しをしようということなのだ。


夏休みになにかクラス会ができたらいいよねって話していたのだけれど、いくつかの候補から選ばれたのが肝試しだったの。



「ここの神社って、出る、って言うよね」

「うわ……、それほんと？」



ひそひそと女の子たちの話し声が聞こえる。

学校のちかくの、この神社。
小さく閑散としているけれど、まことしやかに囁かれている噂がある。




「小さな女の子の霊みたって聞いたよ」

「えーっ、やっぱ出るのかな……」




そう、出るらしいのだ。