だけど、これも身から出た錆。私がみんなにすっごく心配を掛けちゃったのは事実だし、やむなし。
「ハイ。喜んでやらせていただきます。いってきます」
 私は昨日に引き続き、今日はブラシと酸が効くサ○ポールを背負って出掛け、領内の公共施設のお便所を全てピカピカに掃除した。
 まさか、お便所掃除がこんなに重労働だったとは……。はぁあぁ~……あ! バーバラさんとアイボリーのドラゴンさんが飛んでる――!!
 集会所からの帰り道、我が家を目前に、上空を竜騎士団が飛んでいくのが見えた。その中に、三日前の視察飛行で怪我を負い、私が治療した二匹の姿があった。
 ……無事にバーバラさんの尾っぽが治ってよかった!
 青空の下でゆらゆらと揺れるバーバラさんの尾っぽを眺めながら、私は三日前の救護テントでの一幕に思いを馳せた――。

◇◇◇

 モッツァー皇国からの帰路。
「スカーレット、屋敷に帰る前に中央広場に寄って!」
 モーリダ領を目前にして、私はスカーレットに声を掛けた。