それからは、今まで気にならなかったクラスメイトの目がとたんに気になって。

誰にどう思われてるか常に不安で。

隣の席になった人気者の酒井 隆一(さかい りゅういち)くんが、よく面白い話をするから、

私もつい笑いすぎることがあったけれど、

本当は彼も鬱陶しかったかもって。

一個気になったらそれはもう止まらなくて。

学校に通うことが苦しくて仕方なかった。

私の陰口を言っていた子たちは、翌日も至って変わらずいつも通りで。

それがさらに恐怖を煽った。

私を嫌っているってあんなにひどいことを言っていながら、平然と抱きついたり、好きだって言ってくるんだから。

学年が上がってみんなとクラスが離れてからは、男の子と話すのを極力やめて。

嫌われるのは自分にもなにかしら原因があるからだ、そう思ってからは、

周りから目立たないように生きることに徹した。

そして、高校2年の4月。
始業式を終えて一週間。

徐々に固定グループができ始めてる今も、私はあの頃から変わらずひとりぼっちだ。