間引かずに放って置いた芽が、随分と伸びていた。

ちょっとしたホラー映画のようで、そんな事態が自分に起きていることが可笑しくて、僕は小さく笑った。

暗い笑いだ、と、そんなことを思って、自嘲気味にまた笑った。

家の中に誰かの気配はない。

きっと父も母も仕事中だろう。

だとするともう昼かもしれない。

随分と寝たものだ。

時計を見る。

針は、3時を少し過ぎたところを指していた。

睡眠時間が延びている。

起きている必要もない、ということか。

こうして、徐々に意識を保てる時間が短くなっていくのだろうな。

まぁ、自分にしてみれば好都合か。