ケータイ小説 野いちご

「あれ? 倉内?」


隣のベッドが空になっているのを見つけて、俺は同じ部屋にいたはずの倉内の名前を呼ぶ。


部屋の電気をつけて確認してみても、倉内の姿はどこにもなかった。


バスローブを脱いで学校のジャージ姿になると、俺は部屋を出た。


あの揺れはなんだったんだろう?


倉内はどこだ?


廊下には何人かの生徒たちが出て来ていて、周囲を見回している。


俺と同じようにさっきの揺れで目を覚ましたのだろう。


「早人!」


後ろから声をかけられて振り返ると、そこには幼馴染の内藤綾(ナイトウ アヤ)の姿があった。


綾も俺と同じジャージ姿だ。


「綾。なにがあったんだ?」


「あたしにもわからないの。突然大きな揺れを感じて目が覚めたんだから」


綾は大げさなくらい両手を広げて身振り手振りで説明をする。


しかし本当に怖かったのだろう。


その顔は心なしか青くなっていた。


俺は綾の手を握り、歩き出した。


あれだけ揺れたのに警報が鳴らないのはおかしい。


先生たちも部屋から出てきているだろうから、一旦広間へ向かおうと思った。

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