月曜日。

いつも通りの日常を過ごして、家に帰ろうとしていたら、永遠くんが昇降口の壁に寄りかかって立っていた。
 
女の子たちがちらちら振り返りながら、「王子、誰か待ってるのかな?」と囁いている。


夕焼けに照らされて、ミルクティー色の髪が少し赤に染まっていた。


永遠くんが、スマホを見ていた顔を上げて、私と視線を合わせる。

ドキ、と心臓が鳴って、未だに永遠くんと目が合うことに慣れていないことに気付いた。





「羽瑠」




私の名前を呼んで、寄り掛かっていた壁から体を起こす永遠くん。

もしかして、永遠くんが待ってたのって私?
戸惑っている私に、ゆっくり近付いてくる永遠くん。





「昨日はごめん」



目を伏せて、謝ってくれた。
私は慌てて首を横に振る。



「全然大丈夫だから気にしないで。
もしかしてそれ言うために待っててくれたの?」