「おっしゃー! バッチシ!」


一人で叫ぶ。


…おっと、ひとつ、忘れてるのがあった。
恋にもらった香水を、手首に付けて、それを首の裏にも付ける。


「おぉ~! 私好みの匂いっ! 恋、ありがとっ」


隣の部屋の、恋に叫ぶ。


「どういたしまして…、うぁ。 ねむ…」


「駄目! もう8時だよ! 遅刻しちゃう!」


私は恋の部屋に言って、恋を起こす。
起きた恋は制服に着替えて、私は恋の寝癖を取ってあげた。


「そういえば、大丈夫なの?」


恋が、ネクタイを締めながら言った。


「なにが?」


「…あの事」


「ああ、大丈夫! 一年間バレ無かったんだし!」


私はニコッと笑って言った。


「本当に?」


恋は両眉を下げて、心配そうに私を見てくる。
私はせっかく綺麗に整えた恋の髪の毛をくしゃくしゃにした。


「平気だよ! なんてったって、恋がいるもんねー!」


「なんかあったら、言えよ?」


「うん、ありがとう…恋」


私と恋は、朝食を取って、家を出た。