「海璃」
「ん?」
海璃の胸の中から私は海璃に話しかける。

「デートしたい」
「デート?」
私からの提案に海璃は今度は自分から体を離した。

「そう。デート。」
私が海璃を見て微笑む。

その時の海璃の視線で、きっと私が突然そんなことを言い出したからには何か理由があると探るような視線になる海璃。
「これから治療、頑張るから。だから、その前にエネルギー補給」
今度は私が海璃の視線から逃れるように、もう一度海璃の胸に顔を埋める。

海璃は私にそれ以上聞かない。

少したってから「わかった」と海璃の声が聞こえた。