先程までの殺伐とした時間とは雰囲気が違いすぎてゾッとする。


こちらは少し寒気が走ったというのに、希望さんは関係ないとでも言うように欠伸をひとつ零す。


『お肌のゴールデンタイムってやつを私この頃知ったんですよ。どうやらあれ、時間はあまり関係ないんですね。

上質な睡眠を取れるか否か、らしいですよ。』



ホットの飲み物の湯気をスチーマー替わりだと言うように顔に当てている姿は少しだけ面白い。


「……それで?」


私が言いたいことに気がついたのだろうか。



『なんでも、深く眠ることが大事なんですって。私、眠くなってしまいました。』


「そうね、睡眠は大事だわ。」


『……だから今日はもう早く帰って寝たいんです。今日私を呼んだ本題、早速ですが教えて頂けません?』



「あらやだ、もう少し世間話をしてもいいと思ったのに。」



そう言いながら、希望さんの口元はニタッと笑っている。


少しばかりの焦燥を含めて。