花絵は相当可愛かったし、俺みたいなやつとは関わりたくないだろうしな。
そう思って、もう一回寝ようと目を瞑った時だった。
「水城さんっ……!」
高い声が、教室に響いた。
……本気で来たのか?
驚いて、勢いよく体を起こした。
視界に映ったのは、嬉しそうに微笑みながら、こっちへ駆け寄ってくる花絵の姿。
その可愛さに、胸が締め付けられるような感覚に襲われた。
やばい、俺本気でおかしくなったな……こいつの周りに花が見えるんだけど……。
自分の思考に寒気がしたが、嫌な気はしなかった。
むしろ、感じたことのないような感情に、心地良ささえ覚えた。
「お待たせしました……!」
俺の前で立ち止まり、へにゃっと目元を垂れ下げて笑う花絵。