「おい、なんかテンション低くね? さては、綾乃ちゃんとなんかあった?」 「べつに、なんも」 「お前はうそがヘタだよな」 確信しているような表情の省吾。 こういう観察眼はすごいのにな、マジで。 「うるさい」 「ふんっ、心配してやってんのに。あ、春(はる)、おはよー!」 黒髪メガネの知的な美少年、水谷(みずたに)春。 俺と省吾と春はいわゆる中等部からの腐れ縁で、基本的に3人でいることが多い。