「綾乃、顔色が悪いよ?」 「えと、あの、人に酔っちゃて……」 「あ、たしかに賑やかだよね。早いとこ教室に行こっか」 今まで華やかな世界で生きてきたであろう千景くんは、注目されることにも慣れっこで余裕がある。 これだけ女の子に騒がれているんだから、今までモテただろうな。 わたしに優しいくらいだから、きっと他の子にも優しいよね。 なぜだか、チクンと胸の奥が痛んだ。