「里香ちゃん。


情報はね、持っているだけで交渉の場を動かすくらいに有利な矛になるの。だから私は後輩でもあるあなたに、何かがあっても大丈夫なように情報を与えるつもりよ。」


『ありがとうございます。』


「だから、私もできるだけ正確な情報を探るように頑張るわ。

少し、時間をちょうだい。繁華街の噂が本当なのか偽物なのか。調べる時間。」


『……はい。』

立ち上がって、希望さんを見すえ腰を折る。


『お願い、します。』



希望さんはそっと頭を撫でてくれた。