そして誰もいない校舎裏でたくさん泣いた。
ヒドイよ……ヒドイ、黒澤くん。
好きだって言ったのは全部ウソだったんだ……。
私だけが舞い上がってたんだ。
もうこんな想いはしたくない……だから……。
恋なんて絶対しない。
そう、心に誓ったんだ。
―――――
――――
―――
「……ん」
カーテンの隙間から差し込む朝日で目が覚める。
私……昨日そのまま寝てた……?
制服のままベッドにいた自分に驚くのと同時に、自分の目から涙が流れていたことに気がつく。
あぁ……イヤな夢見ちゃった。
中学のときの……夢。
そうだ私……黒澤くんにまた騙されてたんだ。
最悪すぎる現実にまた気持ちが重くなる。
――ガチャ。
「羽音、そろそろ起きる時間じゃ……」
「お母さん……私、今日学校休むね」
布団をかぶって顔を見られないようにする。
「そう……わかったわ。学校に連絡しておくわね」
「うん……」
お母さんも私の様子が変だと察したのか、深くは聞いてこなかった。