ドサ…!!


頭、背中に激痛が走る。


そうか私は崖?らしきとこから落ちて…。


いやいやいや!!


だったら木々の枝とかにぶっかって切れない?


私の運が良かったのか?


ゆっくりと体を起き上がらせる。


「ウッソだろおい」


見上げた街並みは全て私の知らない世界だった。


そうだ、あの子は?


そう思い周りを見渡すが、
いるのは私を不可解な目で見ている和服の人々。


取り敢えず…。



逃げよう!!



ガシッ



誰かに腕を掴まれそのまま引っ張られる。



「おいッ!!ここで何している?」



腰に帯刀してあるのは私が知っている刀。



堀川国広、和泉の守兼定。



つまりこの人物は…。



「新撰組の副長さんか…。」



「ほう、俺の事を知ってるのか」



「新撰組なんて有名でしょう?
 それより腕離してくれません?」



声に出すつもりはなかったけど…。


まぁ、いっか。



「ならばお前は何をしている?
 どこから来た?」



この人話聞いてるのかなぁ。


腕離してって言ったんだけど。


それに嘘を思いつくのは苦手なんだ。


私は腕をグルリと回して掴まれた腕を解く。


そのまま全力疾走。


とは言ってもそこまで走れないけどね!!


文化部なんで!!


そして運動音痴だし!!


まぁ一応。



「御免なさい!!」



謝っておこう。


ていうかこれ道わかんないじゃん。


私の単細胞め。


考えてから走れや。


でも、追いかけてくる様子は…。



「待て!!」



ありそうだね!!


取り敢えずまぁ、捕まるだろうな。


足遅いし、あっちは鍛えてる訳ですし?


それに私過呼吸になりやすいんですよ?


しかも大人が怖いんで足に力入んねぇ!!


これはすぐに捕まる。


考えろ考えろ!!


いや新撰組は大好きなんだけどね!!


怖いんですよ大人がどーしても!!


ヒュン!!


風を切る、音?


音のした方をチラリと見る。



「っぶねぇ!!」



これ苦無か!?


てことはだよ?


観察方と言えば…。


山崎丞さんしかおらんでしょ。


でもやっぱ忍びって怖いね!!


どこにいんのかわかんねぇ!!


つうか間一髪で避けた私凄くない!?


なんて考えてる暇はないんだけどね。


ガシッ!!


「うわっ!!」


今度は何なんだよ!!


転んだわ!!


でも走んなきゃ!!


ズキ…。


ヤベェ…。クッソ走り辛い…。


血ィ出てるし。


あーあ、私の人生終わったわ。