「うん!」 『それじゃあまたねっ、バイバイ』 そう言って、プツリと切れた電話。 ふふっ、久しぶりに莉子ちゃんに会えるの、楽しみだなぁ。 そうだ……! 日曜日はケーキでも買って、おもてなしをしよう……! このときの私は、まだ知る由もなかったんだ。 莉子ちゃんに会うまでの1週間が、長く悩ましい日々になるだなんて。 嵐のような1週間が、私を待ち受けているなんて。 ――このときはまだ、考えてもみなかった。