なんだかいろんな感情でいっぱいになって、その場にへたり込む。
私……どうして気づかなかったんだろう、本当に。
そういえばこうくんとは、今まで恋愛関係の話をしてこなかった。
好きな人がいるとか、どんな子がタイプだとか。
一度だって、聞いたことがない。
まさか……自分がその対象になっているなんて、思ってもいなかったから。
あんなにカッコよくてモテモテなのに、どうして彼女を作らないんだろうって、
ずっと不思議だったけれど……。
『……俺のほうこそ。真由の嬉しそうな姿見られて、楽しかった』
こうくんの言葉と表情を思い出し、再び顔に熱が集まる。
どうしよう……こうくんと顔を合わせるのが辛いっ。
ドキドキと胸の高鳴りが止まらない。
昨日まで優しい幼なじみだったのに……。
こんなこと知ったらもう、ただの幼なじみとしてなんて見られないよっ……。
顔を隠すように両手で覆って、私はその場にゴロンと寝転んだ。