黒澤くんの考えてることがわかんないよ……。
なんで私と手繋げるの?
私なんてただの遊び相手じゃなかったの?
聞きたいけど、聞いても絶対にちゃんとした答えはくれない。
「なにソワソワしてんの」
「え、っと……」
あぁ、黒澤くんの隣って落ち着かない。
微かにする黒澤くんの匂いが懐かしさを感じさせて、さらに私を惑わせる。
「羽音は俺の彼女なんだから、堂々としてればいいの」
「ハイ、スミマセン……」
謝ることしかできない私は負けだ。
「よしよし、いい子」
ポンポンと、満足気に私の頭を撫でる。
―――千葉羽音、15歳。
こうして、私は強引な悪魔に捕まってしまったのです。