約2000年前…。

とある病原菌が小さな島国で発見された。

それはどんどんと世界を制圧していき、
感染者でないものは全国の
2割程度になってしまった。

しかもそれは症状が全くない。

だからといってそのまま放っておくと
死に至るのだ。

だからなるべく外には出ないように
要請されている。

しかし流石に一歩も出ないと勿論食材は尽きる。

その為ツバキは買い出しに出かけていたのだ。

そこで運悪く法の無くなった世界で暴れている
殺人鬼、キリにあってしまったのだ。


























「…そんなにボクといるのいや?」


「嫌って言うより、怖い、かな」


「まぁ、そうだよねぇ」



ヘラヘラと笑うキリはそも当然のように言う。


いつも通りだと、思っているのだろう。


でもツバキにとってそれは違う。


家族と離れ殺人鬼と共に
行くことになってしまった事は


いつ死ぬか分からない状況なのだ。


しかしなぜこの時期に殺人など
やっているのだろうか。


ツバキは気になって仕方なかった。


この時期は病原菌を治すための
医師しか歩いてはいけない。


そんな中殺人?


そんなの途中で警官に見つかるだろう。


なぜこの少女は生きている⁇


もしや、警官も殺したのか?


そんな疑問が頭に入っては消えていく。


ツバキはどうにかキリから逃げられるか
しばらく考えていたがやめた。


キリは時折り辺りを見渡す。


…鏡を使って。


少しは頭がいいようだ。


…殺人鬼として、だが。



「…止まって」



聞こえるか聞こえないかぐらいの小声で
ツバキに告げる。


そのままツバキを奥に押し込んで、影に隠れる。


誰かいたのだろうか。


さっきと同じく深くフードを被り、
先程の進行方向を見渡す。


しばらく観察した後、すくっと立ち上がって
歩いて行く。