「ねえ、キミさ......」



目の前の男の子が、私を見て目を輝かせる。



「――サラ、だよね?」



笑顔でそう言われ、言葉を失った。

ごまかすことも忘れるほど驚いて、頭の中が真っ白になる。

……どう、してっ……。わ、私がサラだって、バレたのっ……。

自分の発言を思い返しても、口を滑らした記憶は出てこない。

というか、彼とはたった今会ったばかりで、サラに関することなんて何ひとつ話してないんだ。

なのに……。



「えへへっ、当たりでしょう?」



確信している表情の彼。



「ち、違います……!」



とにかく否定しなきゃ……ば、バレたらまずい。

だってこの人は、生徒会の人……nobleなんだから。

サラだってバレたら……困ったことになるかもっ……。