「一ノ瀬くん、
ホントにごめんっ!」


放課後、

数学準備室で
一ノ瀬くんに頭を下げて謝った。


「いいよ、べつに」


「だって、一ノ瀬くん、
私を起こしてくれただけなのに!

一ノ瀬くんまで
数学室の片付けやらされるとか!
本当にごめんなさいっ!」


机の上に積み上げられた
山のようなプリントをちらりと見て、

もう一度、
一ノ瀬くんに手を合わせて謝る。


「本当にごめんっ」

「だから、いいって」

「でも……」