「髪でも首でも頬でもキスってのは、好きな人にしかしちゃいけないもんなの」
「う……うん」
「そんで、好きなやつにしかさせちゃいけないもん」
「わか、ったからぁ……」
真っ赤な顔、両手で覆って、視界を遮ってる。
わかったんだって。
「ぜったいわかってないよね?」
――ちゅ。
ほら俺が頬にキスしたって、どーせ。
『……あたしのこと好きなの?』とは思ってくれないんだろ?
「朱里くんも、こういうのは、好きな人以外にしちゃ駄目……」
ほらね。
「……この鈍感女」
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