一ノ瀬さんが職場で見せる顔はニセモノの顔。しかも、本当の顔はめちゃくちゃ性格が悪いと来た。 ぼーっと去っていく一ノ瀬さんの姿をガラス越しに見つめる。 これから一緒にやっていける気がしない。 触れた唇は熱を持っていて、嫌でもさっきのキスを思い出してしまう。 「最悪だ……」 私は窓ガラスに反射した自分の顔を見てそう呟いた。