華が選んだのは、ラブポーションサーティーワンとかいうラズベリーとホワイトチョコのものと、キャラメルリボン。よくもまあそんなものを口にできるもんだ。

「おいしいよ?夏はやっぱりアイスだよね〜」

サーティーワンを出て、家へと歩きながら華はおいしそうにアイスクリームを食べる。一生懸命食べている様子が何だか可愛い。

華を好きになった理由の一つが、食べ物をおいしそうに食べる表情だった。女子は男子の前ではあまり食べたりしない人もいるらしいけど、華はおいしそうにたくさん食べる。そこがいいなと思ったんだ。

「一口食べる?」

華が俺にアイスクリームを差し出してくる。コイツ、絶対間接キスになるとか気付いてないだろ。甘いもの嫌いなの知ってるくせに、わざとか?

どうしようか少し悩んだが、意地悪をしてその反応を見ていたいという気持ちの方が勝った。

「では遠慮なく」

俺がアイスクリームを持つ華の手に自分の手を重ねると、「えっ?」と華が驚く。馬鹿、誘ったのはそっちだろ?