ケータイ小説 野いちご

訳あり冷徹社長はただの優男でした

「うん、それでね。私は愛に生きることに決めたの。」

「はああ?」

「離婚して好きな人と結婚します!」

呆れを通り越してポカーンとした。
何を言い出すのかこのバカ姉は。
冷たい目をした私に、バカ姉はさらにバカなことを言い放った。

「だからさ、”すず”は美咲にあげる。いい感じに懐いてるし、美咲は結婚できない喪女だからちょうどいいでしょ。」

「何言ってるの?ふざけないでよ。」

「なんなら旦那もあんたにあげるわ。私ったら超優しいー。」

私の意見など聞く耳持たない。
そもそも姉の言っていることは嘘だらけだ。
父親とは仲はよくないが捨てられたわけではないし、母は病気で亡くなっただけだ。
お金に苦労したこともない。
結婚はしたけど別居だと聞いている。

私は姉に手を繋がれて大人しく立っている姪っ子、“すず”に視線をやる。
すずは屈託のない純粋な笑顔で私を見た。
そしていつも通り、

「ねえね。」

と私を呼んだ。

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