「何かありましたか?」

「えっと、さっきの国語学の課題って終わりましたか?」

「あ、はい、終わりました」


そっかー、と困った顔の三上さん。



「何でもないです、すみません引き止めて」

「終わってないんですか?」

「…え、あ……、はい…」

「解らないとこでもありましたか、手伝いましょうか?」

「えっ!」


今度は、目を輝かせる三上さん。本当に、表情がころころとよく変わる。


「僕でよければ手伝いますよ」

「本当ですか…!」

「はい。図書館行きましょうか」


僕がそう提案すると、三上さんは助かった〜と声を漏らしながら、嬉しそうに僕の後をついてきた。その姿が小動物みたいで可愛くて、最近僕は彼女をよく見てしまう。




図書館に着くと中にはそれなりに学生が居て、パソコンを開いたり参考書を開いたりしながら課題をやっている人も居れば、突っ伏して寝ている人も居る。


席は選べるほど空いていたけど、僕の足はなぜか2人用の小さな席へと向かっていた。


何だ、これじゃあまるで、三上さんと2人きりで座りたいみたいじゃないか……!