「キィちゃんをひろってくれたお兄ちゃん、ありがとう」

 小百合は立ち上がって、きちんとお辞儀をした。


「わたしはさゆり。お兄ちゃんのなまえは?」


「ヤ、ヤヌアル、……デス」

 女の子の礼儀の良さに恐縮し、しどろもどろとした返事になった。