「カヤ先輩はあれだけキッチリしてるのに?」


亜沙美はまだ半信半疑みたいだ。


「夜だもん。カヤ先輩だって寝てるよ」


あたしの言葉に亜沙美は納得したように頷いた。


「いつもどうやって真仁を呼んでるの?」


瞳に質問されて、あたしは「メッセージでやりとりして、自分の部屋の窓を開けておくの」と、答えた。


「なんだ、結構普通なんだね?」


「そうだよ。1年生の部屋は一階だから障害もないしね」


寮のセキュリティーは玄関に集中していて、各部屋には行き届いていないのが現状だった。


夜でも昼でも、鍵を開けておけば誰でも出入りできてしまう。


「じゃあ、後で男子たちにも話しておこうよ」


亜沙美もその気になったようで、笑顔を浮かべたのだった。