「き、気持ち悪いです!
痴漢で訴えますよ?」

「いや、与倉さんはそんなことしないね」
「…っ、離してください」


女の扱いに慣れているのだろう、その手つきがイヤラシくて嫌だ。


「そんな顔されたら離したくなくなるなぁ」
「…えっ」

「頬、赤くなってる。
恥ずかしいんだ?」

「っ、最低…」


不慣れな私を弄んで。
結局遊べる相手が欲しいだけである。



「“ヒロキくん”のこと忘れたらさ、本気で俺の彼女になってよ」

「私は大学生になったら新たな恋をするんです!」
「その相手、俺で解決だね」

「馬鹿じゃないですか!?」


どれだけ相手が欲しいのだと呆れつつ、抵抗する術を失っていた。