まぁ、理緒の気持ちも痛いほどわかるけど・・・


「少し強く言えば、すぐ泣くんだよ?泣きたいのは、こっちだっての!」

「まぁまぁ。はい、カフェオレ。これ飲んで、少し気持ち落ちつけて」

「ありがとう」


トレイにカフェオレを乗せ、理緒に差し出す。


「・・・辞めちゃおうかなぁ」


独り言のように呟いた理緒が、昔の自分と重なって見えた。

そのまま席へと向かう理緒の背を、何とも言えない気持ちで見送る。

今のあたしが、理緒に出来ることはあるのだろうか?

サッサッと逃げ出した、あたしに・・・

そんなことを独り悶々と考えていると、いつの間にか勤務時間を終えていた。

いつの間にか、理緒も仕事に戻ったみたいだったし。