「全部知ってる上で、採用してくれて、ありがとうございました」

「結可ちゃんの過去を知ってたから、尚更採用したんだ。だから結可ちゃんの気持ちが決まったら、遠慮なく言ってね。淋しくなるけど、俺、結可ちゃんのことを応援してるから」


あたしの周りには、いい人ばかりだ。


「でも、それまで今まで通り、うちの仕事よろしくね」

「はい!!」

「頼もしいよ」


そして、カフェ店員としての1日が始まる。

以前と何が変わったかと聞かれても、うまく答えられない。

でも以前より少しだけ、過去を受け入れていた。

それに、選択肢が増えたような気さえしていた。

看護師以外に、あたしにもできることがある。

それが、自信へと繋がっていた。