意を決して紡いだその言葉たちを

助けるように、掬うように、また違う低音がざわめきを切り裂いた。



「高見くん…!」

「うぃっす。っつーかここに固まっていたらこれから来るヤツの邪魔になんぜー」



明凛学院唯一の、鮮やかな金髪。

…高見晴人(たかみはると)くん。



「それもそうだね、ごめん委員長と碓氷っ、あたし勝手に疑ったりして」

「ごめんね委員長に千尋くん…」

「ごめんね…」


「いや、いいんだ。俺も勘違いさせるようなことをした」

「…うん、みんな本当に違うから、信じてほしいな」



高見くんの言葉に、璃乃の謝罪を皮切りにあちこちからごめんねという言葉が聞こえてくる。



「………。」



伊織は何も言わないまま、教室へ入ってしまった。