「や、やっべー」










状況を理解した男子生徒たちは声を荒らげ興奮し始めた。








しっ、と瑠樺が口に指をたてる。










「内緒だから静かに」








「「「。」」」









「開けてくれてありがとう。感謝する。」









「ど、どこか行くんですか?」









「おう。また後で会うだろ」









「ほんとですか?」








「や、やった!」









喜ぶ男子生徒の横を通り俯きながら体育館の隅に移動する。







周りを見渡すと、誰も瑠樺の存在に気づいていないみたいだ。









体育館入口からバラバラに夜菜と雷斗が入ってくるのが見えた。








頼れる人もおらず静かに話しかけてみると










「なんでお前がいんの?」








「色々とあってな」








「色々って?それに橋本って、お前ハルカの知り合い?」









制服の胸元を見ると名前が書かれてあることに気づいた。











「あー、従兄弟か?」










「ま、まぁ。それより今からステージでなんかするんだろ?俺も入れてよ」









「はぁ?なんで入れないといけないんだよ」









「いいじゃねーかよ」









ウザそうに雷斗が顔を背けてしまった。









そこにちょうどいい時に百香が近づいてきてくれた。







手にはカバンと電話が。









「っ?る、瑠樺?」







「百香!!」








「なんでここに?」









「ハルカに呼ばれて。なんか用事があるって言ってさっき別れたけど」








「そーなんだ。あ、荷物渡しとく」








「ありがとう」










「今から何するの?」










「んー、影でライブ見とこうかな」









「そー。じゃぁ、私行くわ」


















「お前、出んじゃねーの?」









「へ?出ていいのか?」










「しょーがねーだろ」











「ありがとう」











3人で出番まで打ち合わせを念入りにし、会場をわかせる演出を考えた。








まず初めに、2人が歌を披露する。








そこで2人が何やかんやと喧嘩をして会場の雰囲気を静まらせる。










そこに瑠樺が登場して新曲を披露することに決まった。












司会のアナウンスが入り2人が予定どうりに出ていった。










会場は一気に盛り上がり、熱がすごい。











数分たったあと予定どうりに流れて行った。












「えっ?やばくない」








「喧嘩してんじゃん」








「だ、誰かとめないと」













『お前ら、何してんだよ』










「……!瑠樺くんだ!」








「きゃーーー!」








「うそー!」










『お前ら準備はいいかー』











「「きゃー」」










「「「行くぞ!」」」






















無事にステージは成功し、大盛り上がりだった文化祭は幕を下ろした。











2人と別れたあと、携帯を見てみると昌美さんからのメッセージが入っていた。











急用ができて来れないとのことだった。










少し残念がりながらも家に帰宅すると食事が既に用意されていた。











その日は早く就寝し明日に向けての体力を補給するとした。











その頃、ネット上にはひとつの写真が流出していた。








それはハルカがあの更衣室で着替えている時に胸に晒しをまいているところが撮られたものだった。











『あの瑠樺は女だったの?!』











くだらない内容とともに一気に拡散されていった。