ケータイ小説 野いちご

極 愛 <上>

「今、帰りやか?」
振り返ると、顔馴染みの近所のおじいさんが笑顔で立っていた。
「うん、今日は補習だったの」
手の鞄を持ち直し、まだ整わない呼吸で私も笑って答える。
「そうか。ほれ、さっき畑で取れたと。持っていきない」
「あっ。いつも、ありがとう」
ドサっと渡された野菜を受け取りながら、慌てて頭を下げた。
「皇月の坊ちゃん達にもよろしくな」
そう言って、おじいさんは畑へと戻って行った。

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