長い前髪の隙間から覗く工藤くんの瞳がちょっぴり意地悪になる。


うぅ……。

結局、私はなにも反論することは出来ず。



「ほら。帰るぞ?」



私の手を握ってゆっくり階段を降りていく工藤くんの背中を見つめながら、好きでたまらないのだと改めて自覚したのだった。




-----ところで。


あの噂の幽霊が私の名前を呼んだ気がしたけれど、やっぱり空耳だったのかな?


怖い怖いって思っていたから、きっとそうだよね。



さぁ、明日はいよいよ期末テスト!


工藤くん、私も頑張るからね。


ドキドキしながら工藤くんの手を握り返した。