門のところで優里亜ちゃんたちに別れを告げる。


優里亜ちゃんはこれから彼氏と待ち合わせだし、彩実ちゃんは塾があるから。


「頑張るんだよ!」


「あとで報告待ってるからね!」


そう言って勇気づけてくれる二人に大きく手を振って、うしろ姿を見送った。


あぁ、どうしよう。とうとうこの時が来てしまった……。


でも、今さら引き返せないし、もう伝えるって決めたから。


頑張るしかないよね。


そう思って、カバンからスマホを取り出し、メッセージアプリを開く。


とりあえず、椿くんのことを呼び出さなくちゃ。


【椿くん、お久しぶりです。話したいことがあるので、緑丘の校門の前で待ってます。】


シンプルなメッセージを送って、既読になるのを待つ。


だけど、そのまましばらく待っても一向に読まれる気配がなくて……。


どうしよう。気づいてないのかな?


そうこうしているうちに緑丘も下校時間になったらしく、生徒たちがぞろぞろと門から出てきてしまった。


なんだかますます緊張してくる。


椿くんももう、授業が終わって教室を出た頃かな?