「今度の日曜日に大会があるのよ。
翔馬君のチームも出場するから菜乃ちゃんも行く?
行くなら私達の車で連れて行ってあげるけど?」

「えっ?本当ですか!?」

嬉しい。翔馬君のバスケをするところを間近で
見に行けるなんて……。
ぜひ試合をしているところを見てみたいと思った。

「は、はい。行きたいです。
お願いします」

「分かったわ。
そうね……何時に待ち合わせがいいかしら」

私は、行きたいとお願いをすると美紀子さん、
クスッと笑いながら待ち合わせ時間を考えてくれた。
待ち合い場所を決めると私は、夢中で
チラシを見ていた。

ハの字になった車椅子を乗った選手達が
写真に載っていた。バスケは、学校の授業で
やったぐらいで詳しくは知らない。
それを車椅子でやるのだ。

どんな風にやるのだろうか?
色々と思い浮かべてみるがあまりピンっとこなかった。
だから楽しみで仕方がない。
翔馬君の活躍する姿を見てみたいから

「菜乃ちゃん。こっちを手伝ってくれる?」

「あ、はい。分かりました」

伊吹さんに言われて私は、厨房の方に戻っていく。
それから午後になると確かに言った通りに
翔馬君が店に現れた。しかも車椅子の友人を連れて。
赤みのある茶髪の男の子だった。同い年ぐらいだろうか?

「涼太君。いらっしゃい」

「こんにちは。美紀子おばさん。
あーここ涼しい……」

外は、暑かったせいか2人は、汗をかいていた。
暑そうに服をパタパタと扇いでいた。
どうやらこのお店にも親しそうだった。
同級生とかかなぁ……?