「勘違いかもしれないけど……っ、工藤くん、ちょっとは、ドキドキしてくれたかもしれないなって思って……」


「もしそうだって言ったら?」


「……えっ!?嘘っ……さっき、ドキドキしてくれたの……!?やったぁーー!」



勝ち負けってわけじゃないのはわかってるけど、嬉しくてついつい両手を上げて喜んでしまいそうになる。



「……ぷっ。俺の負けでいいよ?」



そんな私を工藤くんはどこかおかしそうに見てくる。


負けでいいなんて。
工藤くんがこんなあっさり敗北宣言する?


悔しくないのかな……?


納得のいかない私が工藤くんを不信そうに見つめ返せば、



「お前のそんな可愛い顔見れるなら、いくらでも降参してあげる」


「なっ……」



工藤くんは、やっぱり今日も私より何枚も上手だったのでした。