「それと、もう特進科には来なくていいよ?」


「そ、そんな……っ」


「さっきみたいにまた他の奴に絡まれるかもしんないし、俺が行く」


「え、工藤くんから……!?」



普通科に来てくれるの?


沈みかけた気持ちだって工藤くんの言葉にかかれば、雲を突き抜ける勢いで一気に上がっていく。



工藤くんは顎に手を添えて考る仕草をすると、



「意外と独占欲強いのかも?俺」



そう言い残して中庭に響く予鈴と供に去っていった。



“独 占 欲 ……”


私の頭の中を埋め尽くすその言葉。


独占って、つまりそういうことだと思っていいのでしょうか?

鼓動は先程よりも激しく高鳴っていく。



な、な、なにこれ……!?


作戦失敗、大失敗………!!!


結局。

私の方がドキドキさせられてるじゃん……!!!