一番前の席に座っている私を見つめ、彼は優しくそう言ってくれたような、そんな気がした。


私に対して、君は可愛いよ、ずっと俺を好きでいてって言ってくれているような勝手な解釈をして、顔を赤らめていたんだっけ。


後から考えたら、イタい話しかもしれないけれど。

私にとっては、国語の授業でいろんなお話を通して、彼の誠実な人となりや優しさを知っていって、ますます好きになっていったんだよね。


ああ、もうこれ以上は彼の授業が見れないよ。


あの時の私の切ない気待ちがよみがえってきて涙で視界がぼやけた。


ああ、私、この人と結婚できて本当に幸せだ。


心の中で、理人さん授業頑張ってねって応援してから、そっと教室の扉を離れていった。