「…な、なに?」

「おまえ、昨日何時に帰った?」

「え、え?」

「スコア集計で部室に残ってたんだろ?何時に帰ったんだ?」



更にギクッとさせられる。

ま、まさか。

昨日のキスの覗きがバレてるとか…!



「さ、30分ぐらいですぐ帰ったけど…な、何で、そんなことを…聞くの?」



とっさに嘘をついてしまい、心臓バクバクしてる。

まさか…告白現場を覗いて、瞳真と美優のキスを見てましたとは言えない。

ごまかしなのか、逆質問までしてしまった。

いや、聞いてみたいっていう気持ちもあった。



しかし、瞳真は表情を崩さない。



「いや、別に。あ、そう。わかった」



そう言って、スタスタと去っていく。

あっさりしてる…。



ば、バレてないかな。とりあえず助かった…。

…と、思う反面。

『いや、別に』って、何?



自分は、美優とキスしてたんでしょ…。



胸中は、ものすごく複雑になった。



私には、その程度の興味しかない。

『女子』ではなく、『仲間』。

男子と一緒。同じ扱い。



…いや、本当に男子扱いの仲間って認識の方がまだ良かったかもしれない。

男子扱いの仲間なのに、女子だからって、昔のみんなの中にも入れない私。

中途半端な存在…なんだ。