「…でしょぉーっ?!…星月、信じてくれないんだよ!俺とゆらが付き合ってないってこと!ただの腐れ縁だってこと、何も信じない!」



ここぞとばかりに、私達の間に入って反論をしてくる蓑島くん。

「な?な?」と、私に同意を求めてくる。

その横で「あんたノリが軽いから信用されてないのよ」と、バッサリ言われていた。



本当だったんだ。

二人、付き合ってないんだ。

何でかホッとする。



「…星月」


蓑島くんをバッサリ斬った後、横川さんは私に話を続けようとする。



「…別に悠介のこと好きじゃなくてもいいんだよ。付き合ってる『フリ』でもさ?…悠介、どうしても星月を見てられないんだって?」



付き合ってる『フリ』…?

そんなんでいいのだろうか。

見てられない。

そんな理由で、私と付き合おうとか、ある?



蓑島くん、やはり何を考えているのかわからないよ。

横川さんの言葉に、うんうんと頷いてるけど。




「私もそう思う。星月、このまま何の恋愛経験も無しに、水口のことばっか考えてじめじめしていたら、いつの間にかババアになるよ?」

「ば、ババア…」

美少女な横川さんに言われると、ちょっと焦る。

え。私、このままじめじめと瞳真への叶わない想いを抱えてたら…ババアになるの?




「光陰矢のごとし、命短き恋せよ乙女…なんだからね」




うかうかしてたら、いつの間にか取り残されている。

同じ思いは、してきたはず。



「そうだそうだ」

蓑島くんは引き続き横川さんの後ろでうんうん頷いている。

味方を得て水を得た魚のように勢いづいている。



「ババアになったら、その素晴らしいおっぱいもたれてしまうがな」

「…やっぱ付き合わない!」




やっぱり何を考えているのかわからない!

蓑島くん…このバカ!