お母さんと食器の片付けを終えると、部屋に戻ってベッドに倒れこむ。




「……アルバイト、かぁ」


知らなかった。飛鳥くんが菊川くんのところでアルバイトを始めるだなんて。




自立してしっかり働こうとしてる飛鳥くんをすごいと思いながらも、どこか遠くに行ってしまうみたいで寂しいと思ってしまう。


そしてやっぱり気になるのは、一華ちゃんのことで。



あんなに可愛い子がアルバイトのたびにそばにいたら、飛鳥くんも好きになっちゃうかもしれない。



「飛鳥くんのばか……」


少しくらい、私に教えてくれたってよかったのに。




距離が近いだけで肝心なことは何も知らない。


今更ながら気づいてしまった。



幼なじみって、一番近くて遠い存在なんだ。