どこかで無意識にブレーキをかけていたこの気持ちに気づいてしまった以上、止めるのはもう無理だった。



好き。飛鳥くんが、好き。




「き、今日、一緒に帰れる……?」

「……は?」


自分で口に出しておいて、自分でもなにを言ってるのかわからなかった。



ただ、飛鳥くんの視線が一華ちゃんじゃなくて私を向いてほしくて……。




「バーカ。なに急に当たり前のこと聞いてんだよ。普通に一緒に帰るだろ」


私の頭をポンと撫でてくれた飛鳥くんの手に、安心とドキドキが重なって不思議な感覚だった。



少し切なげな一華ちゃんの表情が、消え切らない罪悪感を煽る。


飛鳥くんのことが好き。でもそれと同じくらいに、一華ちゃんを友達として大切に思う気持ちも、私には強くあった。