「犬かな?猫?プッ、可愛い」


お世辞にも上手とは言えないような、布の縫い合わせ方だし、目と目も微妙に離れていて可愛いというよりはキモ可愛いような部類に入る気がした。


色もカラフルで、動物にしては奇抜な色合いだった。


明らかに、女の子からのプレゼントなんだろうなと思った。


こんなものを大切に飾るような性格には思えないけど、彼にとってはもしかしたら思い入れのあるものなのかもしれない。


だとしたら、好きな女の子から貰ったものとかかな?


「好きな子なんているのかな」


ポツリと呟いて、胸の奥がぎゅっと締め付けられるような気持ち悪い感覚がした。


もしいたとしても、私には関係ないんだけど。


ぬいぐるみの一つは目が飛び出していたので、気になって手に取る。


プラスチックのような瞳を穴をあけて差し込んでいるようだけど、ボンドが甘いせいかはずれそうになっていた。


布用ボンドがうちにあるはずだから、今度修理してあげようかな。


でもそんなこと、余計なお世話だよね。でもこういうのをそのままにしておくのってすごく気になるんだ。


せっかくのプレゼントなんだろうし、綺麗に修理してあげたいんだけどな。


勝手にするわけにはいかないし、あとで彼に聞いてみてからにしようかな。