「…っ!」


パッと目を開く


…夢?

夢を見てたみたい…

って!

私なんっちゅう夢見てんの!?



「はなちゃん、起きたー?」


!!

夏兄さん…


そうか…

思い出した


夏兄さんに変なとこ連れてこられて…

気持ち悪くなっちゃったんだ


「夏兄さん…!!」


起き上がろうとして腕が動かないことに気づいた


は、は、え?

え、は?


縄で縛られて、る?


寝転んだ体制から起き上がるのにものすんごい筋肉を使う


ふんぬぅぅぅうう!


と起き上がり状況を整理する


目の前には椅子に足を組んで座りニコニコと笑っている夏兄さん


さっきまでいなかったけど二人のガタイのいい男が夏兄さんの後ろにいた

え、なんでそんなに肌黒いの?

異国の人?

あ、異国の人!?

ボディーガードかなんかなの!?

や、やめてよー!


そして

縛られて少しボロいソファの上で放置されてる私


んー


あんまり理解できないけど、とりあえずやばい(危ない)ってことはわかる


「夏兄さん、あの、え、手、これなに?」


「いやぁーはなちゃんって良くも悪くも活発だから襲いかかってくる可能性があるからねぇ。念のためだよ念のため」


え、は?


「まあとにかくはなちゃんは餌だから大人しくしててね。」

「えさ?」

「そう…龍堂彗を誘き寄せるための餌」




リュードーさん…?


「リュードーさんを知ってるの?」

「まあねー彼有名人だからね。面識はなかったけどああいう人嫌いだから痛い目見せようと思ったんだ」


な、何を言ってるの?

この人は…

さっきから淡々と平然とした顔で何を…


「夏兄さん…」

「そんな恐怖の目で俺を見ないでよはなちゃん。」


そんな、無茶な…

怖い…

これは本当に夏兄さんなの?